シネマ執事

ティッシュみたいだね 映画って

2020/4( 2 )

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夜叉

降旗康男監督 「夜叉」 1985 感想

雪景色と高倉健 高倉健は、いつも吹雪のなかを歩いている。厳しい寒さのなか、黙々と労働する男、それが高倉健だ。「夜叉」の舞台は、若狭湾の小さな漁港である。高倉は漁師だ。妻(いしだあゆみ)と妻の母(乙羽信子)、子供3人を養っている。田中邦衛や丹古母鬼馬二など、漁師仲間からも篤く信頼されている。 福井県美浜町と若狭町にある5...
永井 聡監督 「ジャッジ!」 2014 感想

永井 聡監督 「ジャッジ!」 2014 感想

広告という虚業 「美味しいです、買ってください。」広告の目的はそういうことだが、そんな言葉で消費者のこころは動かない。思わず漏れる笑み、爽快感、甘酸っぱい気持ち、暖を取った時のほっこり感、動物の赤ちゃんって可愛い、などなど。消費行動の周辺に寄り添う感情を狙い撃ち、ハートを鷲掴みにしなければいけない。 つまり、虚業だ。実...
鈴木清順監督 「ツィゴイネルワイゼン」 1980 感想

鈴木清順監督 「ツィゴイネルワイゼン」 1980 感想

抽象芸術としての映画 この映画には、ストーリーがない。鈴木清順が嗜好する風景や、言葉の断片を、幾重にも折り重ねているだけだ。私は高校生のとき初めて「ツィゴイネルワイゼン」を観て、驚いた。子供のころ、映画やドラマは「お話」だと思っていた。魅力的な主人公が颯爽と活躍したり、懊悩したりする。家族や恋人との関係は大きな歓びを産...
佐藤 純彌監督 「君よ憤怒の河を渉れ」 1976 感想

佐藤 純彌監督 「君よ憤怒の河を渉れ」 1976 感想

ヒーローとしての高倉健 高倉健こそが、ヒーローだ。男の中の男だ。東映退社後第一作「君よ憤怒の河を渉れ」は、1976年、高倉健45歳の作品である。 高倉は、検事を演じる。東映時代、主にヤクザを演じてきた高倉だが、知的エリートの颯爽とした背広姿もサマになっている。高倉検事は、ある日、強盗傷害の容疑で逮捕される。全く身に覚え...
黒沢清監督 「旅のおわり世界のはじまり」 2019 感想

黒沢清監督 「旅のおわり世界のはじまり」 2019 感想

トップアイドルとしての前田敦子 前田敦子は、美人ではない。トップアイドルなのに美人ではないのだ。結婚して子供もいるので、もうアイドルは卒業している、と思う人もいるだろう。女優への転身に成功していると。しかし、AKB48の中心メンバーだった時代も、決して美人ではなかった。少女の頃から美貌ではなかったし、大人の色香が出てく...

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