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映画『手紙』レビュー ネタバレあり

映画『手紙』レビュー ネタバレあり

ロングセラー作家として知られる東野圭吾の小説を映画化した「手紙」は、その宣伝で「兄貴、元気ですか?これが最後の手紙です」からも、物語の社会性をより重く感じると作品ともいえるのではないでしょうか。他人事のように感じる問題も実は自分がこの被害者・加害者になるかもしれません。出演者も豪華で泣けること間違いなしの映画です。

主役・キャストについて

手紙では今をときめく俳優・女優陣が若手のときに出演していました。主人公の武島直貴を演じたのは、幅広い演技を難なくこなす「山田孝之」さん、その兄貴役である剛志を演じたのが「玉山鉄二」さんです。ヒロイン役で「沢尻エリカ」さん、「吹石一恵」さんなどの今でも活躍している人ばかりです。難しい問題の作品なので出演者も新人ではなくある程度演技経験を積んでいる人ばかりです。

あらすじや見どころ

工場で働いている20歳の青年、直貴には刑務所に服役中の兄がいます。その理由は弟の学費を手に入れるために強盗に入った家で、誤って人を殺害してしまったことにあります。そんな兄がいるせいで人生が来るってしまい夢を諦めざる得ない人生になります。しまいには愛する女性との些細な幸せまでも脅かされることになり、ある重要な決断を下します。

兄の思いを感じながらも自分の人生が殺人者の弟になってしまい、人生が大きく変わってしまったことに対して苦悩し続けます。登場人物のそれぞれに大切にしたいものがあり、それぞれの感情が交差します。主人公の直貴はどんな決断を下したのか、健気で前向きに生きる主人公が下した結論に注目してくださいね。

ちなみに映画化の後にドラマ化もされているので混同してしまう人もいるかもしれません。映画では山田孝之さんが主演、ドラマでは亀梨和也さんが演じています。撮影した場所も違えば、中身のストーリーも変わっています。

主題歌のタイトルや歌手は?

映画の主題歌は、高橋瞳さんの5枚目のシングルとして「コ・モ・レ・ビ」です。2006年11月に発売されてオリコン週間ランキングにて初登場50位にランクインしました。元ジュディアンドマリーのTAKUYAがプロデュースを務めた楽曲です。

映画の挿入歌には小田和正さんの「言葉にできない」が起用されています。全部で12曲の楽曲がありますが、どれもそのシーンをより演出するためにも重要な役割をしています。映画の雰囲気と曲調があっているので、涙を誘う事間違いなしです。

ロケ地はどこ?

映画の手紙についてロケ地を調べてみたのですが、情報がかなり少ない傾向にあります。映画内で直貴が働いている川崎のリサイクル工場ですが、茨城県の日立市にあるセメント工場を使用しているようです。地元のエキストラも50人ほど参加して5日間かけて撮影が行われました。その他にも日立市内で映画のシーンは撮影されています。

また兄が収容されている刑務所は「奈良少年刑務所」が使用されていておしゃれな外観が特徴です。ジャズピアニストの山下洋輔さんのおじいさんが設計したものになり、明治の五大監獄の1つでもあります。(※現在使われているのは千葉県と奈良県のみです)毎年9月に開催されている「矯正展」にて一般公開されています。映画でもよく使われる有名な刑務所です。

原作はあるの?

もともと2001年から毎日新聞で連載されていたものになり、それを小説家し映画・ドラマにまでなった社会問題を描いた作品です。今からかなり前の作品になるので原作のなかには「ネット」という言葉が存在しません。兄のことがバレてしまう原因の多くはネットの口コミだったり手紙です。

映画が公開されたのは2006年になりネットの住人も登場しているので、より状況がシビアだったのだと思います。原作や映画・ドラマの違いを比較しながら見るのもおすすめです。原作とは違った点があり映画ならではの映像から伝わる出演者たちん心理描写が映画の雰囲気を作っています。

出演者の演技

手紙に出演している俳優・女優さんはいずれも演技力に定評がある人ばかりです。

山田孝之さんの気持ちの苦悩を表現しているシーンにも感情移入できますし、兄の玉山鉄二さんが弟のために不法侵入した家で、あまりの空腹に耐えかねて食べてしまうシーンも本当に何も食べず母親が残した、直貴を大学に行かせるために必死に頑張っていた兄の気持ちを上手に表現しています。

これが見つかる原因にもなってしまったのですが、あまりに弟を大切に思うからこその行動に切ない気持ちになるはずです。

ラストや映画全体の考察・解釈

社会派映画だけあり考えさせられる映画です。本当の家族の絆とはなんなのか?罪を償う意味とは?被害者遺族の立場になった思いや、加害者家族の思い、立場などそれぞれに違う気持ちを描いています。

人間は思ったどおりの人生にはならず、それぞれが考える幸せは違います。

加害者の家族になってしまった人たちがどんな思い出でこれからの人生を生きなくてはいけないのか、刑務所に入ることはありませんが加害者以上に悩み苦しんでいるのです。

自分たちが加害者家族にならないとはいいきれません。だからこそ他人事ではなく、映画から学べることはたくさんあると思います。

監督は誰で、他にどんな作品を作っているか

監督は生野 慈朗(しょうの じろう)さんです。ドラマや映画で演出家や監督として活躍しています。

2000年には木村拓哉さんと常盤貴子さんのビューティフルライフをヒットさせた人物としても有名な人です。3年B組金八先生や男女7人物語、映画では手紙や余命・食べる女などの異色の作品も携わっています。

2010年には定年を迎えるも、嘱託契約として在籍しているそうです。また演出家としても監督としても活躍してほしいものですね。

手紙は東野圭吾の作品のなかでも、とくに考えさせられる名作です。登場人物のそれぞれに異なる思い、家族に対しての不器用ながらも一生懸命に思う優しさを感じます。確かに人を殺めてしまったことは悪いことですし取り返しがつきません。でも加害者も被害者にも

それぞれの思いがあり、今のような時代だからこそ手紙を見るともし自分がその立場になったとしたらどんな気持ちになるのか?考えながら見てみるとより物語に入っていけるのではと思います。

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