シネマ執事

ティッシュみたいだね 映画って

2019

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ねじ式

石井輝男監督 「ねじ式」 1998 レビュー ネタバレあり

闇の消滅 21世紀の始まりごろ、闇は世界から消滅した。隅々の些細な事柄まですべて、インターネットによって可視化された。闇が消滅し、未知の事柄はなくなった。自分にとって既知でない事柄も、誰かにとっての既知であれば、容易に共有されるようになったのだ。 闇がまだ残存するころ、人々は、街灯の途絶えた暗闇の奥に潜んでいる邪悪な存...
森田芳光監督 「それから」 1985 レビュー

森田芳光監督 「それから」 1985 レビュー

森田芳光と松田優作の挑戦 1980年代、松田優作は長髪を切り、アクションをやめた。きっかけは鈴木清順監督「陽炎座(1981)」だ。長い沈黙から復活し、気焔を吐いていた清順の面妖な世界に少し戸惑いながら迷い込んだようで、結果的には堂々と鎮座した。 鈴木清順が「ツィゴイネルワイゼン(1980)」「陽炎座」で描いた二十世紀初...
コネクテッド

映画『‎コネクテッド』レビュー ネタバレあり

原作:セルラー(2004年、アメリカ) 監督:ベニー・チャン ネタバレ度:★★★☆☆     あらすじ ロボット設計士でシングルマザーのグレイスは、ある日突然男たちに襲われ、誘拐されてしまう。 監禁された部屋に設置されていた電話機も目の前で破壊されてしまうが、辛うじて修復し、誰とも知らない番号に助け...
破線のマリス

井坂聡監督 「破線のマリス」 2000 レビュー ネタバレあり

華やかなテレビ局 テレビ局は、まだ華やかなのだろうか? 私はテレビを全く見ないのだが、ネットの情報から類推しても、テレビというメディアが凋落していることは間違いないだろう。視聴率は低落しているし、新しいスターもあまり産まれていないようだ。老境にさしかかったビートたけしや明石家さんまが未だに大御所として君臨していることが...
水のないプール

若松孝二監督 「水のないプール」 1982 レビュー ネタバレあり

地下鉄の切符切り 地下鉄の切符切り。現代では、ほとんどなくなった職種だろう。カチカチカチとハサミの音を神経質に鳴らしながら、乗客の差し出す切符に小さな刻みを切る仕事。そんな駅員を演じる内田裕也は、終始不機嫌そうな表情だが、定期券をはっきり見せない客がいると威丈高に詰問する。本来は正規運賃の確認行為なのだろうが、内田の感...
はだかっ子

田坂具隆監督 「はだかっ子」 1961 レビュー

昭和30年代、所沢 タイトルバックは、空撮から始まる。昭和30年代の所沢。住宅は少なく、一面の濃い緑は茶畑なのだろう。電車や街道が濃緑を闊達に切り取って走る。この豊かな人工の濃緑が、まず、映画の豊潤な色彩感覚を頭上から制覇する。 「はだかっ子」は児童文学を原作としており、主人公は小学6年生の元太だ。映画は元太と同級生た...
からっ風野郎

増村保造監督 「からっ風野郎」 1960 レビュー

三島由紀夫初の主演作 三島は当時35歳。数々の傑作を世に出し、既に文豪の域に達していた三島だが、実はまだ30代。テレビや雑誌など、様々なメディアに登場する、時代を代表する有名人でもあった。 三島は自身の監督作「憂国(66)」に主演している他、数本の映画に出演しているが、商業映画の本格的な主演は本作のみである。 監督は増...
ザボーガー

井口昇監督 「電人ザボーガー」2011 レビュー

自由意志で、地球を守っている 映画「電人ザボーガー」は、1974年~1975年に放送されたテレビ番組を映画化した作品だ。テレビ放送当時幼年期だった私は、「仮面ライダー」や「ゴレンジャー」などの戦隊ものが大好きで、戦闘アクションを真似して遊んだ。幼年男子にとって「正義」とは絶対的な概念であり、世の中で最もカッコいいものだ...
貞子VS伽椰子

映画『‎貞子vs伽椰子』レビュー ネタバレあり

監督・脚本:白石晃士   ネタバレ度:★★☆☆☆     概要 偶然呪いのビデオを見てしまった友人を助けるため、自らも貞子の呪いを受けた女子大生、倉橋友里(演:倉本美月)。 一方、近所の少年を心配し、伽椰子の棲まう廃屋に踏み入ってしまった女子高生、高木鈴花(演:玉城ティナ)。 およそ人智の...
空気人形

是枝裕和監督 「空気人形」2009 レビュー

世界への愛情 ダッチワイフが、心を持ってしまう。産まれたばかりの純真な心を持つ「空気人形」は、街へ出て、人々と出会う。世界を知らない「空気人形」にとっては、目にするもの全てが新鮮で、驚くことばかりだ。出会った人との心の交歓が産まれる。まっさらな感性で、雨だれだの、ラムネ瓶だのを慈しむ。 是枝監督は、きっと、こよなくこの...

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